SENIOR_DATA_EXPLAINER
65歳以上と75歳以上、なぜ2つの人口を見るの?
65歳以上と75歳以上は、重なりながらも対象範囲が違う年齢区分です。二つの数字を同じものにせず、年齢構成を立体的に読む方法を説明します。
人口のページで「65歳以上」と「75歳以上」が別々に表示されていると、どちらを見ればよいのか迷います。二つは競合する数字ではなく、範囲の違う人口区分です。65歳以上の中に75歳以上が含まれるため、同じ人を別々に二重計上しているという意味でもありません。
二つの数字は、見る範囲が違う
65歳以上人口は、65歳から上の人口全体を数えます。75歳以上人口は、そのうち75歳から上の人口を数えます。したがって、通常は75歳以上人口が65歳以上人口を上回ることはありません。
この二つを並べると、65歳以上の層の中でも、75歳以上の層がどのくらい含まれているかを考える手がかりになります。数字の差や割合は、定義と分母を確認してから読みます。
年齢区分は、個人の状態ではない
75歳以上という区分を見ても、その人が病気か、介護が必要か、外出しにくいかは分かりません。年齢は人口統計の区分であり、健康や生活状況を一人ずつ判定する情報ではありません。
同じ年齢区分でも、世帯構成、仕事、住まい、地域とのつながりは異なります。医療機関や介護事業所の数と結びつける場合も、年齢の割合だけから利用量や需要を断定しないようにします。
二つを使い分ける場面
市の年齢構成を広く知りたいなら65歳以上人口、より高い年齢層の位置を知りたいなら75歳以上人口を見ます。どちらが正しいというより、知りたい範囲に合う方を選びます。
確認するポイントは次の通りです。
- 人数か割合か
- 2020年10月1日時点の人口か
- 市・区など、対象地域は同じか
方法と出典で定義を確かめ、自治体ページの他の人口指標と並べます。
65歳以上と75歳以上を分けて見ると、「高齢者」という一つの言葉で年齢の幅を隠さずに済みます。二つの数字は、年齢構成を少し細かく見るための窓です。
差を見たいときも、計算の前に定義を置く
65歳以上の人口から75歳以上の人口を引けば、65歳から74歳までの人口に近い範囲を考える手がかりになります。ただし、値を計算するときは同じ出典、同じ時点、同じ地域単位であることが条件です。表示の年や地理単位が違う数字を引き算してはいけません。
また、年齢区分の差は、生活上の段階や支援の必要性をそのまま示すものではありません。65歳から74歳、75歳以上という区分を、健康や介護の状態の境目に変換しないようにします。統計の年齢区分と、個人の状態は別の情報です。
二つの数字を見比べる目的は、「高齢者」を一つの大きな塊として扱わず、人口構成の内訳を確かめることです。割合なら分母、人数なら総人口と時点を確認し、必要な範囲だけを読み取ります。
どちらかの数字だけを選んで、自治体の特徴を説明する必要はありません。65歳以上は広い年齢層、75歳以上はその内側の年齢層として、目的に応じて両方を見ることができます。数字が増えるほど結論を大きくするのではなく、構成を細かくするために使います。
たとえば、自治体の人口全体と65歳以上人口を見れば、広い年齢構成が分かります。75歳以上人口を重ねれば、その中の範囲をさらに確認できます。ここから医療機関の利用状況や介護の必要性を推定するには、別の調査が必要です。年齢の区分を、サービスの需要や個人の状態に置き換えないようにします。
二つの年齢区分を表示するのは、住民を二種類に分類するためではありません。同じ人口を異なる境界で切り分け、地域の構成を見やすくするためです。数字の重なりを理解しておけば、65歳以上と75歳以上を別々の集団として足し上げる誤りも避けられます。
出典
- 総務省統計局 / e-Stat「令和2年国勢調査」(対象時点:2020-10-01)
- 総務省統計局 / e-Stat「令和2年国勢調査 人口等基本集計 表26-1」(対象時点:2020-10-01)